須磨区の小学校の教員によるいじめ問題について、皆さんは、さぞかし心を痛めておられることでしょう。分限処分条例制定や組織再編成を行なうよりも、まずは、傷ついた子どもの心のケア、子ども・教員・保護者・地域住民が中心となって学校再建に早急に取り組むことを 過日、神戸市長・神戸市教育委員会に求め、1時間に亘って懇談しました【写真】。また、この問題について、「第2回つなぐ神戸市会議員団市政報告会in垂水【写真】や「いじめ問題を考えるつどい」【写真P5】等で、報告&問題提起をしました。今後、「たんぽぽカフェ」(2月9日)や「つなぐ神戸市会議員団市政報告会in灘(5月24日)でも行います。ぜひ、ご参加ください。
【議会発信】9月定例会 決算委員会 総括質疑から
1、児童館における指定管理者制度のあり方について
【小林】2017年5月24日、「指定管理者制度」が導入されているA児童館において、20代の女性支援員が男児にバットで後頭部を殴られる事件が発生しました。また、今年5月22日、B児童館において、女児が性的被害を受ける事件が発生しました。この間、民間のノウハウを活用した市民サービスの向上やコスト削減を謳い文句に、「指定管理者制度」の導入が進められ、2003年の「地方自治法」の改正で、図書館や児童館にも導入されるようになり、神戸市の「指定管理者制度」導入施設883か所のうち、児童館は、現在、118か所までに拡大されています。
そこで、質後しますが、導入当初より、社会福祉施設や専門的な知識が必要とされる施設は、公共性が高く、「指定管理者制度」には馴染まないのではないかと言われてきました。この際、不安定な運営をあらため、児童館の運営手法のあり方を見直すべきではないか、お伺いします。
【副市長】ご指摘の事案が発生したことは残念だが、児童館の運営については、日頃から指定管理業務が適切に履行されるよう、随時、指定管理者の代表からの相談に応じ、助言等を行ないながら指導、研修を行なっている。
【小林】A児童館の支援員は、聴覚に障がいを負い、教員の道を断念。B児童館の児童は、既に転校・転居した。家族は、「なぜ被害者の方が転校しなければならないのか」と怒りを露わにしている。この間の周囲の対応は、A児童館の場合は、救急車を呼ばず、数時間後に児童館の車で病院へ。小学校が側は、「学校外で起きたことだから関係ない」と被害者との面談を拒んだ。神戸市の対応は遅く記者発表は7か月後、偽装請負ではないかの指摘を恐れ、“業務の範囲外”として、被害者との面談を拒んだ。B児童館の場合は、保護者への説明会は開催せず、一般的なアンケートで済ませた。児童館、小学校、神戸市の3者をめぐり、連携が不十分な上に、責任の所在が曖昧になっている。神戸市は責任を放棄し、指定管理者に丸投げしているのではないか。
【副市長】協定書で、市は施設の設置管理に関すること、指定管理者は業務遂行に関することと責任分担をしている。引き続き、適切な管理がなされるよう指導していく。
【小林】指定管理者制度の問題点の一つが浮き彫りになった。低い指定管理料は人件費にしわ寄せされ、低賃金・非正規労働の官製ワーキングプアを生み出している。また、短期の期間で、職員は常に雇用不安がある。運営の不安定さは、子どもたちにも影響をもたらす。市長!総務省時代に指定管理者制度を導入する「地方自治法」改正に携わった人として、市長は、どのようにお考えか。
【市長】児童館等の社会福祉施設は、指定管理者制度に馴染むという考えだ。
2、フリースクールに関する支援について
【小林】不登校の児童・生徒の増加傾向が続く中、国や自治体の支援を初めて明記した議員立法『教育機会確保法』が成立、2017年に施行されました。第13条には、不登校児童・生徒の「学校以外の場において行う多様で適切な学習活動の重要性」「休養の必要性」「登校という結果のみを目標にするのではなく、児童・生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指すことの必要性」が謳われ、“学校復帰”のみにこだわることはないとされています。不登校児童・生徒はもちろん、保護者・支援者は、“学校復帰”の呪縛から解き放たれたのではないかと思います。
そこで質疑しますが、法の施行を機に、神戸市としても、フリースクール等での教育機会確保が進むように、市民への周知、並びにフリースクール等への公的支援や通学家庭への経済的支援等を推進するべきだと考えますが、お伺いします。
【教育長】神戸市としては、フリースクールで適切な指導を受けられる場合は、出席扱いにするとともに、通学定期券を利用できるようにしている。周知については、毎年度、全ての児童・生徒にフリースクールの意義の資料等を配布している。経済的支援等については、現在、国で検討を行なっており、それを注視していきたい。
【小林】神戸市の体育施設条例の施行規則では、市内の学校は、体育施設を利用する場合は、利用料は、半額。フリースクールにとっても、必要な施設だが、利用料に減免措置がなく、児童・生徒、家庭の負担になっている。先日の『外郭団体特別委員会』での答弁で「条例が想定する“学校”の概念について、対象者をどう広げていくのかという点は、教育委員会や他の関係機関にも意見を聞いて検討していく」という前向きの答弁があった。フリースクールも減免対象にするべきと考えるがどうか。
【副市長】フリースクールの形態や活動内容は多様で、『学校教育法』の”学校“とは位置づけられておらず、慎重な検討がいる。
【議会発信】9月定例会 一般質問から・・・
【写真:「さよなら原発神戸アクション」との懇談】
1、 原発汚染水処理問題について
【小林】2011年の東日本大震災・原発事故からやがて9年。汚染水・土の処理問題が深刻です。2012年に、震災がれきの受け入れ問題で、神戸市会でも採りあげられたことがあります。そのおりに、「放射能は拡散するべきではなく封じ込めること」が国際基準となっていることを学びました。
このたび、大阪市長・大阪府知事が東京電力福島第1原発の放射性物質を含む処理水の海洋放出を大阪湾で受け入れる可能性を表明しました。それに対して、兵庫県や和歌山県の首長は、それぞれに態度表明をしました。また、漁業関連の団体のほか、多くの団体からの抗議の声もあがりました。
そこで質疑しますが、大阪湾周辺の自治体・神戸市としても、態度表明をするべきだと考えますが、お伺いします。
【副市長】原発汚染水処理問題については、現在、国で専門的な議論がなされており、国の方針が定まっていない。処理方針は国の責任において十分な説明がなされるべきで、今後も国の動向を注視していきたい。
【小林】汚染水は、ALPSという設備で処理すればセシウム、ストロンチウム等の放射性物質は取り除くことができるが、トリチウムは取り除くことが困難と言われている。そのことから処理水は汚染水であり、安全とは言えないのではないか。
【副市長】国もそのようなことを前提に処理方法を検討している段階であり、今後も国の動向を注視していきたい。
【小林】大阪湾は、また閉鎖性水域で、大阪府・大阪市だけの問題ではない。兵庫県知事は「国から要請があっても極めて慎重な検討が必要
との立場を表明し、和歌山県知事は、「現地で浄化して流すべき」と言う立場だ。神戸市長としても態度表明すべきだ。また、関電原発マネー問題についても、株主として態度表明をすべきだ。
【市長】副市長の答弁に付け加えることはない。
【副市長】関電問題は、徹底した原因究明などを申し入れている。
2、 介護保険制度について
【小林】10月8日、須磨区で90歳の車いすの女性が死亡し,デイサービス等を利用しながら介護をしていた孫が、逮捕されました。その背景に、何があったのでしょうか。神戸市では、昨年の8月には、92歳母殺害容疑、同居の69歳を逮捕と言う事件があり(東灘区)、9月には、首を絞めた疑い、夫死亡、妻を逮捕等々(中央区)、何れも“介護疲れ”がその理由です。「介護心中」「介護殺人
が続いています。それは、介護保険が充分に機能していない事も一つの要因ではないかと、考えます。
そこで質疑しますが、保険者神戸市として、これらの事件の背景や原因について調査や検証を行ってきたのか、また、再発防止のためにどのような対策をとられてきたのか、お伺いします。
【副市長】このような事態を防ぐためにも、事案を調査し、関係者と再発防止に向けた意見交換等行っており、今後も介護関係者の相談窓口の周知や対応方法の研修実施等、市として痛ましい事件が起こらないように努力していきたい。
【小林】「介護殺人」「介護心中」は、年間50~70件で増加しており、背景には様々な事由がある。介護保険制度の手続きをそもそも知らない、介護保険料等の経済的負担の増額、介護サービス利用料の増額でサービス利用を減らす、施設等の不足でサービスが使えない状況もある。さらに、家族介護(老々介護)も増え、これでは、介護の“社会化”に逆行していると言えるのではないか。被保険者の負担も限界に達しており、介護保険事業に一般会計からの繰り入れを検討せざるを得ないのではないかと思うがどうか。
【副市長】指摘されている事実もあるので、介護保険制度を市民にしっかり周知し、地域のネットワークも借りながら努力していきたい。また、介護保険制度は、保険方式であるので、繰り入れは慎重に検討するべき課題だ。
【議会発信】敬老・福祉パス、スマスイが危ない!
◆敬老パス・福祉パスが今、見直されようとしています。敬老パスは、70歳以上の高齢者の、福祉パスは、障がい者・ひとり親世帯、原爆被害者等の「社会参加」「移動支援」に使われてきました。2008年に敬老パスは有料化に、2014年に福祉パスは生活保護世帯を対象から外してしまいました。徐々に改悪される中で、この度、バス会社からの要請?と言うことで、再び改悪されようとしています。敬老パスは、低所得者の無料券廃止、福祉パスは、ひとり親世帯を対象から外し、母子・父子世帯の高校生定期券補助に、中・近距離バスを110円から小児金額に変更しようとしています。この間、これを審議する有識者会議を傍聴してきました【写真】。4回に渡る有識者会議、市民意見募集(パブリックコメント)を経て、成立させようとしている神戸市ですが、高齢者や障がい者、ひとり親世帯の声を聞くことはありませんでした。引き続き今、『熟年者ユニオン』や『安心と笑顔の社会保障ネットワーク』等々が、改悪反対の署名運動を展開しています。たんぽぽ倶楽部前にも、署名用紙を置いています。高齢者・ひとり親世帯の「外出支援」「移動支援」の維持・充実にぜひご協力をお願いします。
◆神戸市民にとって、親しみのある須磨海浜水族園【通称スマスイ】が大きく変わろうとしています。1957年に開業し、老朽化が進み、修繕の費用が多額になることから建て替えが決定されました。そのことを巡って、様々な問題が出てきました。須磨海浜水族園周辺一帯をリゾートパークとして開発する計画で、その整備のための費用が入場料に転嫁され、入場料が、小・中学生は現行の500円が1800円になる等々、大幅値上げになることです。また、広域を回遊するシャチに、狭いプールでショーをさせることに世界の動物愛護団体からも抗議の声が私にも届いています。そもそも、優先交渉権者を決める段階で、評価方法に問題があったのではないかとも言われています。多くの問題点を抱えつつ、市民には十分に周知することなく進めようとしています。神戸市民にとって、須磨海浜水族園や王子動物園は、子どもの教育施設です。休日には、たくさんの親子連れで賑わいます。水槽前では、親子の会話が弾んでいます。今、『須磨水族園を考える会』の皆さんが、見直しを求め、署名運動を展開しています。たんぽぽ倶楽部前にも、署名用紙を置いています。”優しい“みんなの水族園を願い、ぜひご協力をお願いします。 |
【議会発信】いじめのない学校や社会を願い…
10月初め、須磨区の小学校の教員による教員へのいじめ問題がマスコミによって暴露され、センセーショナルなマスコミ報道に、当該小学校・保護者・地域住民、神戸市教育委員会・議会も煽られました。マスコミのもつ影響力は大きいものがあります。その強い世論に押されて、こぞって“加害教員たたき”に奔ってきているのが現状です。今程に冷静さが求められている時期はありません。
確かに、4人の教員は、目に余るいじめ行為を繰り返してきました。「いじめはいけない」と諭す立場にありながら自らがいじめ行為に奔る・・・しかもその内容は余りに稚拙で愚かです。人間として決して許せるものではありません。事件の背景や要因などの徹底した調査・検証を経て、厳正な処分が求められます。そして、それと並行して行なわなければならないことは、まずは、傷ついた子どもの心のケア、そして、子ども・教員・保護者・地域住民等の当事者が主体となって、中長期的な学校再建に力を尽くすことだと考えます。
条例制定と組織体制再編に奔る神戸市
しかし神戸市は、第95号議案 「職員の分限及び懲戒に関する条例」を提案し、十分な議論の保障もないまま、僅か5日間で採決に到り、共産党を含むすべての会派が賛成し、反対したのは、『つなぐ神戸市会議員団』だけでした。神戸市は、「余程のことがない限り条例が適用されることはない」と説明してきましたが、口頭だけでは何の担保にもならず、市長のさじ加減でどうにでもなり、恣意的運用を防ぐことは不可能です。しかも、今回の条例は、加害教員だけでなく、全教員・市職員に対象が拡大される可能性があります。公務員の身分保障と言う観点からも問題が多すぎです。かろうじて附帯決議が付けられたのが救いでしたが・・・、過日、神戸市は、この条例のもと、4人の教員を分限休職処分とし、給与の支払いを停止しました。それに対して、神戸市の諮問機関である『分限懲戒審査会』は、「この条例を適用する事は不相当と考える」と指摘したにも関わらず、神戸市は、押し切り、条例の附帯決議は、ないがしろにされてしまいました。神戸市のこの間の“暴走”に対して抗議します。まと外れの、場当たり的な対応では、根本的な解決には至りません。いじめはなくなりません。このような状況下であるからこそ、今回の問題の本質を見失ってはならないと考えます。
高齢者や障がい者、子ども、女性の「働く場」「集う場」の紹介コーナー
今回は、「いじめ問題について考える」です。2016年に起きた垂水区女子中学生の自死をきっかけに、当事者に寄り添いながらいじめ問題に取り組んできました。このたびの須磨区の教員によるいじめ問題については、皆さんも心を痛めておられるのではないかと思います。この間の経過報告&問題提起を小林るみ子からさせていただきます。ぜひ一緒に考えましょう。
●日 時 2020年2月9日(日)14:00~16:00 ●場 所 ろっこう医療生活協同組合 六甲道組合員センター【右図】 ●内 容 「いじめ問題について考える」 話 小林るみ子(神戸市会議員) ●参加費 300円 (資料・お茶代) |
【倶楽部発信】お 知 ら せ
◆署名にご協力を!
水道筋2丁目のたんぽぽ倶楽部前に署名用紙を置いています。4ページでご紹介しました「敬老・福祉パス制度見直し案に抗議し、制度の維持・拡充を求める」署名と「須磨水族園再整備の見直しを求めます」署名を置いています。お買いものやお出かけついでに、署名にご協力ください。たくさんありますので、お持ち帰りになられても結構です。ぜひ、広めてください。
◆ご案内します。手帳にカレンダーにメモってください!
平和まつりinなだ2020 ●日 時 2月2日(日)14:00~ ●場 所 シマブンホール ●参加費 大 人1000円 大学生・障がい者他500円 ●トークライブ 雨宮処凛さん (フライヤー同封)
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つなぐ神戸市会議員団市政報告会in灘 ●日 時 5月24日(日) ●場 所 原田の森ギャラリー401号室 ●参加費 無料
どなたでもご参加下さい 詳細は「たんぽぽ通信」次号で
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*介護・子育て・労働・くらしの相談
★電話での相談 小林
★事務所での相談 ℡078-802-1125
編 集 後 記
◆『文教子ども委員会』に所属し、いじめ問題に取り組んでいることから、最近、子どもさんやお孫さんの不登校・いじめ問題の相談が増えています。17年間教員として仕事をしてきた経験もあって、原点に立ち返っているようにも思えます。子どもが幸せであってほしい・・・もちろん大人もですが、その思いで、来年も引き続き頑張ります。◆最近、議会傍聴者が増えています。これもまた、嬉しい事です。皆さんの議会が、皆さんの暮らしの問題についてどんな議論をしているのかを皆さんの目で見て耳で聴いていただきたいと思います。傍聴マニアになってください。◆イノシシ年は、大変な年でした。春…統一地方選挙では大変お世話になりました。おかげさまで引き続き5期目を担わせていただいています。充実した議員活動の日々です。ありがとうございました。5人の会派になったことで、活動の幅が拡がりました。市政報告会にご参加いただいたある方に「つなぐ神戸市会議員団に希望を感じる」と、言っていただきました。頑張ります。夏…生まれて初めて手術を経験しました。10日間、ゆっくり病院で休むことができました。順調に回復しています。ご心配をおかけしました。ネズミ年を向かえるにあたって、これを機に、体力つくりに励みます。来年も宜しくお願いします。(小林るみ子)
ブログアドレスは「http://www.tanpopo-club.net/」
もしくは「小林るみ子たんぽぽ倶楽部」でみることが可能です。
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