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2016.12月号

 

10月15日、『安心と笑顔の社会保障ネットワーク(通称:安心ネット)』結成総会が開かれました(於:勤労会館)。第1部は、大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員長の日下部雅喜さんの「どうなる介護保険制度―何から始めるべきか―」をテーマの記念講演。その後、会場からケアマネージャー・事業者・介護者の立場でそれぞれの報告や意見が述べられたのち、第2部の結成総会で事実上のスタートを切りました。闘いなくして老後の安心なし・・・今後、高齢者のみならず、障がい者、難病者、介護者、そして事業者とつながり、小さくとも抗う運動を展開していきます。自己の尊厳を失わず、人間らしく生きる権利を人間らしく死ぬ権利を保障するために。

 

 

 

【議会発信】9月議会 代表質疑から

 

①原発事故避難者問題について


【小林】2015年6月、福島県は、災害救助法に基づく応急仮設住宅の無償提供を2017年3月末で打ち切ると発表しました。しかし、その後の2015年10月29日には、福島県避難地域復興局長から各自治体避難者支援担当部に対して「・・・供与期間終了後もなお避難先での生活の継続を望む避難者が多いことから、避難先における住宅の確保が極めて重要となっている。避難者を受け入れていただいている各都道府県におかれましても、公営住宅等の確保等に格別のご配慮をたまわりたい」旨の依頼文が届いていました。
この6月の一般質問において、私は「国や福島県に住宅支援の継続を求めつつ、神戸市として独自の住宅支援を継続できないか」と質疑しました。市長は「被災自治体の施策を尊重するため国や福島県に継続を求める予定はない」「福島県の判断を尊重する」という答弁でしたが、福島県からの依頼文を受けて、その意向を尊重した対応をしていただきたいと考えます。
 そこで質疑しますが、放射能汚染や甲状腺がんの子どもたちの増加等から福島がもとに戻ったとはとても思えず、安心して帰還できる状況にないと心配されている避難当事者との懇談の場を持っていただきたいと考えますが、市長の見解を伺う。
【市長】福島県の避難指示区域から3世帯4人、区域外からは16世帯37人が応急仮設住宅としての市営住宅に入居しているが、福島県から「公営住宅の確保に配慮たまわりたい」という通知も来ているので、神戸市としては、入居期間が満了となる16世帯について直接面談するなどして居住地の希望を確認しているところだ。今後、避難者の希望等も把握しきめ細かな対応をしていきたい。
【小林】この件については、先日の都市防災委員会において「原発事故避難者への人権保障と支援拡充を求める」陳情が採択されているので要望のみにしたい。


 

ご案内します!17 「たんぽぽカフェ」

高齢者や障がい者、子ども、女性の「働く場」「集う場」の紹介コーナー


第3回は、介護保険の制度の崩壊にもつながりかねないこのたびの改悪についての話でした。黙っていれば介護保険料だけ払って介護サービスを受けることができなくなる・・・利用者は受け皿不足に、介護者は待遇改善どころか悪化に、事業者はますます経営困難にと、様々な意見や質問が出され、学びの多い場になりました。第4回は、原発事故からやがて6年、様々な課題が露わになったその一つ、原発事故避難者問題について考えてみたいと思います。

 

 

 

 

第4回「つながるひろがるたんぽぽカフェ」

●日 時1月29日(日)14~16時
●場 所 六甲道組合員センター(地図参照)
●内 容
「もうすぐ6年 福島原発 今なお続く避難
●講 演:森松 明希子さん
(原発事故避難者訴訟団)
報 告:山田 和子さん
●参加費300円(資料代・お茶代) 



 

【議会発信】9月議会 代表質疑から

 

 

 

②介護保険の見直しについて


【小林】介護保険は、2000年に始まって以来の大改悪が行なわれようとしています。そのうちの一つ、要支援1・2の訪問介護・通所介護が介護保険の対象から外され、各自治体の総合事業の「現行相当サービス」と「緩和基準型(訪問型A)」「地域主体型(訪問型B)」の多様なサービスに順次移行されます。
そこで質疑しますが、先日、事業者対象の説明会が開催されました。総合事業への移行で、利用者は今までどおりの介護サービスの維持が困難になるのではないか、介護事業者はますます経営難に陥るのではないか・・・との危惧がありますが、市長の見解を伺う。また、窓口になるあんしんすこやかセンターでは基本チェックリストが使われるようですが、利用者の容態を正確につかむためにも今までどおり要介護認定の申請を案内するべきではないかと考えますが、市長の見解を伺う。


【副市長】総合事業の「緩和基準型(訪問型A)」については事業者への介護報酬は8割ということで専門分科会で了解いただいた。この考え方だが、介護者の資格要件が緩和されることや事務面の軽減も踏まえたものだ。先行している政令市5市のうち4市では概ね介護報酬は8割程度だ。現行の介護サービスの利用者は、総合事業に移行してもその方の状況に応じて引き続き現行相当のサービスの利用は可能だ。基本チェックリストではサービスの迅速な利用が可能になり、その際、介護予防等のサービスが必要な場合は要介護認定の申請手続きをご案内することになっている。基本チェックリスト実施後でも必要な時には要介護認定の申請は可能だ。


【小林】神戸市の場合は、「現行相当サービス」の対象になるには2つの基準がある。一つは、認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱランク以上と言う基準で金銭管理や薬の管理が難しく度々道に迷う状態。二つは、障がい高齢者の日常生活自立度Aランク以上と言う基準で日中も寝たり起きたりで介助なしには外出できない状態。あるケアマネージャーは、この症状や行動は要支援レベルではなく要介護レベルだと言っている。これでは新規に訪問介護を受けたい人は殆ど「緩和基準型(訪問型A)」になると思うが、「現行相当サービス」の対象に残れるのは何割程度だと考えているのか。

 

【副市長】何割程度かの想定は今のところはない。

【小林】大阪市の場合、「現行相当サービス」は、約4割ということで公表しているが、介護事業者が独自で調査したところ「現行相当サービス」は約1割に留まっているという。神戸市においても早急に調査する必要があるのではないか。また、「緩和基準型(訪問型A)」の介護報酬は8割に設定されている。昨春、介護報酬が下げられた時、経営悪化で次々と介護事業者が倒産した。このことから考えても介護事業者の経営は困難になり、手を下ろす介護事業者が続出し、結果として受け皿不足になるのではないか。また、無資格者や有償ボランティアが参入することで結果として介護者の社会的評価が下げられ処遇改善どころか悪化するのではないか。

 

 

【副市長】不安な点は丁寧に介護事業者に説明していきたい。そもそもこの制度改正は、介護を支える人材不足を補う趣旨で新たに選択肢を増やし担い手は資格要件を緩和するというものだ。


【小林】住民は、基本チェックリストで機械的に振り分けられるのではないかと言う不安がある。尼崎市は、要介護認定を受けたのち非該当「自立」の判定を受けた場合基本チェックリストを受けるという流れだ。担当者は、「基本チェックリストでは相談者の実際の容態が分らないからと語っていた。神戸市の場合はその流れが曖昧だ。まずは要介護認定の申請を受けることが優先されると思うがどうか。


【副市長】基本チェックリストは、今回の総合事業の介護サービスをできるだけ早く利用していただけることがメリットだ。必要に応じて要介護認定申請も行なえる。


【小林】早ければ良いというものではない。機械的なやり方だ。まずは要介護認定申請を!

 

 

【議会発信】特別委員会 局別審査から

 

 


【行財政局】

 

1、神戸市で働く非正規職員の現状の可視化について
 自治体は、非正規職員が2割を超えるといわれている。神戸市の非正規職員の職員数、雇用形態、人件費等を予算や決算議会を通じて市民に公表していくべきではないか


2、市民の署名・懇談要請への対応について
『神戸市原爆被害者の会』が最期の運動と位置づける「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」を神戸市長に要請したところ、市長室・行財政局・保健福祉局のたらい回しにあい、結局高齢福祉課との懇談はできたものの神戸市長の署名どころか行財政局との懇談すら実現しなかった。神戸市は、「平和都市宣言」「非核神戸方式」「非核平和都市に関する決議」等の関連決議、平和首長会議への加盟等、平和や人権に関する取り組みを進めていることから署名はもちろん懇談の場を設けるべきだと考えるがどうか。


【企画調整局】

1、マイナンバー制度導入後の現状や課題について

 

2、関西広域連合の原発問題の取り組みについて

 

【市民参画推進局】

1、神戸市男女共同参画計画の重点要項に「女性の貧困」問題を

 

【選挙管理委員会】

1、選挙権の保障―郵便投票制度についてー


介護を必要とする人が郵送で投票できる郵便投票制度は、今まで要介護5の認定者が対象でした。超高齢社会、この夏の参議院選挙からは要介護4の認定者まで対象が拡大される動きがありましたが、残念ながら実現しませんでした。要介護3以下の認定者にも自力で投票に行けない人も見受けられる中、郵便投票制度の更なる周知と対象枠を拡大するように国に働きかけていただきたいと思うがどうか。


2、選挙権の保障―投票所のバリアフリー化についてー
この夏の参議院選挙で、神戸市内のある小学校に車いすユーザーの女性が投票に行ったものの、投票所はエレベーターもスロープもない2階の教室。担当者は「前任者に確認したら、車いすの人は来ないから」「人手が足りないので階段下に人を配置することも難しかった」との話。担当者の意識改革と投票所のバリアフリー化の一斉再調査をするべきではないか。

 

【子ども家庭局】1、母子・父子・寡婦福祉資金貸付について
障害や病気、生活困窮等一定の理由がある場合には、返還免除・減額返還・返還期限猶予等、何らかの救済措置をとるべきだと考えるがどうか。


【教育委員会】1、HAT神戸の特別支援学校事業計画案について
1 事業計画案に、保護者や教職員の意見が十分に反映されてきているか
2 事業計画案は、真の「過密化解消」につながるのか

 

【議会発信】神戸市を取り巻く諸問題

震災は終わってはいない・・・借上げ住宅問題

阪神淡路大震災からやがて22年。今尚残された課題があります。そ一つが借り上げ住宅問題。復興住宅の中でたまたま入居した借り上げ住宅の居住者が今、年齢ごとに障がいの有無ごとに線引きされ、残れる人出て行かなければならない人とに分断されています。長い時間をかけてようやく築いたコミュニティ。それが転居することで断ち切られることは命を縮めることにもつながりかねません。


 この問題は決して当事者だけの問題ではなく、災害大国日本において、いつまた私たちに降りかかってくるやもしれない問題です。
しかし、神戸市の不作為から生じた問題であるにもかかわらず、このたび神戸市は「住み続けたい」と願う7世帯を提訴しました。被災者を市民を訴えたのです。提訴されたある高齢の女性は、「家賃もきちんと払い真っ当に生きて来たのになぜこの年齢になって被告にならなければならないのか」と悔しがっていました。私は、裁判の傍聴支援を続けながら、あくまでもこの問題は話し合いで決着をつけるべきだと訴え続けます。【写真:裁判後の報告集会】
*今後の裁判:2017年1月10日(火)13:15~ 1月25日(水)10:30~(於:いずれも神戸地裁)


開発行政の復活?・・・なぜ今三宮再整備なのか
 JRと阪急のリニューアル計画を機に、三宮駅周辺の「再整備基本構想」に基づいた事業が進められようとしています。その様な中、再整備のための種地を生み出すことを理由に、神戸市長は、勤労会館・中央区役所・市役所2・3号館の集約化を発表しました。しかし、「再整備基本構想」で勤労会館・中央区役所・サンパルは種地計画から巨大バスターミナル整備計画に。まだまだ使える勤労会館等を多額の資金を使い建て替えることに、また移転が予想されることに勤労会館を利用する労働団体等は抗議の声をあげています。
しかも、5年以内の短期計画と30年という漠然とした長期計画が同時に提案されており、その中で巨大バスターミナルの場所だけが特定されています。規制が遅れ利権を呼び込む可能性を持ちながら(既にその一区画にホテル建設が始まっている)それ以上の具体的なことは示されていません。しっかりチェックの目を向けていきます。

 

低飛行を続けてきた神戸空港・・・とうとう売却へ
阪神淡路大震災後、大事なことは皆で決めよう!と、「神戸空港の是非を問う住民投票条例
の制定に向けて署名運動が展開されたことを皆さん覚えておられますか。35万人の署名が集まったにも関わらず、当時の神戸市長・与党会派は、市民の思いを踏みにじり神戸空港建設に着工し、開港後10年を迎えました。
神戸空港は、この間、いずれの数値も当初計画から大きく下回り、先行きが見えない状態が続いてきました。そのような中、この度、管理運営権の売却へと動き出しました。過日、その募集要項が発表され、4社が名乗りを上げています。
また、神戸市会経済港湾委員会において、神戸市が、42年間直営した場合の収支が明らかにされました。収入は747億円、支出は大規模修繕を含めて863億円で116億円の負債となります。また、運営権の売却を行なっても、52億円の負債に。あれだけ警告した市民の声に耳を傾けず、空港建設に踏み切った神戸市の責任が問われてきます。まずは失敗を認め市民に謝罪をするべきです。今後、市民にそのツケが回ってくることのないようにしっかりチェックの目を向けていきます。

 



 

【倶楽部発信】お 知 ら せ

 

◆秋のリサイクルバザーご協力ありがとうございました


1日だけでしたが、盛況のうちに終わりました。

売上金の一部は、原発事故避難者の活動にカンパさせていただきます。


春のリサイクルバザー ・・・ご協力宜しくお願いします。


●日時 2017年3月20日(春分の日)9:00~16:00
●場所 たんぽぽ倶楽部
*提供品受付は3月10日から。たんぽぽ倶楽部まで持参していただければ助かります。
*問合せ先:たんぽぽ倶楽部 ℡802-1125 月・水・金曜日13:00~17:00


◆楽しかった!秋のバスツアー


今年は、かんでかんでバスツアーを企画しました。ミニ学習後、昼食バイキングをいただき、収穫体験(この日は、ピーマンとチンゲン菜)でお腹も心も大満足でした。めんたいパーク神戸三田で少しだけの試食、キリンビール神戸工場で少しだけの試飲、きれいな秋の夕焼けを観ながら無事に帰途に就きました。


◆たくさんの署名をありがとうございました


前号で、ぜひ被災者に寄り添ってくださいと「借上げ復興住宅の入居者の入居継続を求める」署名と「原発事故被害者に健康に生きる権利を 賠償打ち切り・帰還の強要に反対します」署名の協力をお願いしましたたところ、それぞれに200筆近くの署名が集りました。感謝の気持ちでいっぱいです。「可哀そうだから署名を!」ではなく、災害大国に住む私たち一人ひとりの問題でもあるのだとお考えいただいたのではないかと思います。感謝の気持ちでいっぱいです。署名は、既にそれぞれの送付先に送らせていただきました。来年にかけて、まだまだこの問題は続きます。ぜひご支援ください。広げてください。


◆介護・子育て・労働・くらしの相談

★電 話での相談 ℡078-802-1125(事務所)    
★事務所での相談 毎月第2土曜日午前10時~12時 
ご注意 事務所での相談日を第1土曜日から第2土曜日に変更しています。

なお、都合により不在の時もあります。ご了解下さい。


 

 

編  集  後  記

 

◆来年は、夏の知事選挙~秋の市長選挙~時期不明な総選挙がある年です。ますます格差と貧困が広がりつつある昨今、皆さんと一緒に暮らしやすい働きやすい社会になるように頑張ってまいります。
◆来年は、「酉年」。「取り込む」・・・より実りの多い1年になる年だそうです。皆さんご自身にとっても実りある1年にしていただきたいものです。来年も宜しくお願いします。(小林るみ子)

   

ブログアドレスは「http://www.tanpopo-club.net/

もしくは「小林るみ子たんぽぽ倶楽部」でみることが可能です。

ご意見やご感想がございましたらお聞かせください。


 
 

   

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